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退職祝いに頂いたマフラー

20代のころ、とある資格を目指すことにして、会社員を辞めたことがありました。
当時はアパレル関係の営業をやっていました。
量販店や百貨店のバイヤーさんなどを相手にし、商品を仕入先から店頭に運ぶのです。
色々なライバルの会社もあり、店頭に自社の商品を並べるのは、中々大変です。
時には、店頭に自ら立って、販売の手伝いをしたりもしました。
2年弱くらいでしょうか、そんな仕事を必死にこなしていました。
バイヤーさんたちやライバルの会社の人たちとも、顔見知りになり、少しずつ仲良くなっていくことができていました。
その仕事自体には、それなりに面白みを感じていたしやりがいもあると思えていたのですが、少し方向を変えてみたくなって、資格を目指すことにしたのです。
年に一回、忘年会ということで、バイヤーさんたちを中心に宴会が開かれていました。
普段は厳しい交渉を繰り広げている人たちではありましたが、その宴会では楽しく親睦を深めていました。
ちょうど、その12月一杯で退職することにしていた私も、宴会に参加しました。
宴会が進むうちに、少し場があらたまって、私の話になりました。
sこで、退職祝いというか送別の意味で、マフラーのプレゼントがありました。
まさか、そのようなことをしてもらえるとは全く想像していなかった私は、若かったせいもあってか、もうウルウルしてしまいました。
確か、感謝の挨拶はシドロモドロになってしまった記憶があります。
その頃、お金がなかったし、寒さもあまり感じていなかったので、マフラーはしていませんでした。
それを見かねたどなたかが、マフラーのプレゼントを思いついてくださったとか。
真っ黒のカシミアのマフラーでした。
あれから20年以上たった今も、そのマフラーは残してあります。
さすがに傷んでしまったので、日常的には使っていないのですが、とても捨てる気にはなれず、いまだに手元に残してあるのです。
資格への挑戦自体は、残念なことに失敗に終わりました。
数年かけてチャレンジしたのですが、結果を出すことができず、更なる方向転換を余儀なくされました。
挫折したわけですが、その後の人生で、折に触れマフラーのことを思い出しています。
真剣に取り組んでいれば、見てくれている人はいるのだと思え、頑張ろうと思えるのです。
営業活動の厳しさやつらさ、基本的には厳しい交渉相手である人たちやライバル会社の人たちとの、微妙ではあるけれども確かに存在した連帯感、頑張ることができた自分、そんなことを思い起こし、活力にしています。

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