プレゼント画像

プレゼントをくれない父の話

小さな頃、誕生日やクリスマスはとても楽しみなイベントでした。
美味しいお料理、かわいいケーキ、欲しかったおもちゃなど、わくわくするものが目の前にずらりと並んだものです。
お料理は母が用意し、プレゼントは祖父母が好きなものを買ってくれました。
では父はそのとき私に何をしてくれたのでしょうか。
実は何もありませんでした。
友達の話を聞くと、「お父さんからおもちゃを買ってもらった」なんていう話ばかりでしたが、私にはそのような記憶はありませんでした。
幼い私はもちろんねだりました。
着せ替えのお人形やおままごとセット、テレビゲームなどを誕生日やクリスマスに買って欲しいと伝えました。
しかしやはり買ってくれません。
その理由を私にこう語りました。
「お父さんはお前に毎日プレゼントをあげているんだよ。お前が安心してご飯を食べられて、温かい布団で眠れる。これ以上の贈り物はないぞ」と。
幼い頃の私は意味は理解できましたが、納得なんてできるはずもありません。
散々駄々をこねたものでした。
時は流れ、私は高校に進学、勉学に勤しみ問題なく卒業、大学時代には実家を離れて一人暮らしをしていました。
大学時代には仕送りをしてもらって何も不自由なく生活できました。
しかしながら、私はこのことについて、特別なことではなく、当たり前のことだと感じていました。
さらに時は流れて、私は就職し結婚することになりました。
結婚当初から子供を持つこと考え、夫婦で将来のビジョンをよく語ります。
そのとき、ふと思うのは、私が両親にしてもらったことを、自分の子どもにもしてあげることができるのか、ということです。
好きな習い事をさせてあげたり、進路を自由に選ばせてあげたりできるのでしょうか。
それらを実現することは、私にとって、相当難易度の高いことだと思っています。
同時に、それらを実現させていた親の偉大さに気がつきました。
私が昔は当たり前のように思っていたことは、実は当たり前のことではなく、とても恵まれていたことなのです。
大人になって気がつく「プレゼント」。
今の私という人間を作ってくれた「プレゼント」。
それはとても大きな愛情によるものでした。
さて、現在の父はそろそろ定年退職のタイミングを迎えます。
今度は私がお返しをする番です。
もらったものがあまりに大きく、半分もお返しすることはできない気がします。
それでも少しでも気持ちが伝わるよう、私からのプレゼントを贈るつもりです。

Copyright(c) 2010 贈りもの.com All Rights Reserved.