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妻からのサプライズプレゼント

結婚して2年目、車を買い替えることになりました。
それまで乗っていたのは幼い頃から憧れていたスポーツカー。
低い視線で感じるスピード感やミッション独特の操作しているという実感に満足し、好みの部品をあちこちつけかえたりしていました。
妻が通勤や買い物に使っていたのはコンパクトな軽自動車で、便利ではあるものの夫婦2人で遠出するときなどは物足りなさを感じて私の車で出かけていました。
ところが結婚してしばらくすると妻が「乗り心地が悪い」と一言。
これから子供が生まれた時にもツードアでは不便だという話になりました。
愛車を手ばなすのは少々さみしい気がしましたが、新車には夢がひろがり休日のたびにあちこちの自動車ディーラーを見てまわりました。
最終的に決めたのはつきあい始めた当時から「いつか2人で乗りたいね」と話していた黒のツーリングワゴン。
まだ貯金も少ない私たちには安くない買い物でしたが、子供なしの共働きだからと思い切って購入しました。
少し早めの私への誕生日プレゼントだと妻もうれしそうにしていました。
本当のことをいえば私はオプションの部品がつけたいと思っていましたが、すでに予算はオーバーしており、これ以上無理できないことはよくわかっていました。
無事に納車がすみ、ずいぶん運転にもなれた頃「職場の友達に見せたいから」と妻に車を1日交換してくれるように頼まれました。
いつもは私が通勤に使っていましたが、2人で乗ろうと買ったものです。
「もちろんかまわない」と出勤前にキーを交換しました。
けれど軽自動車に乗ってみるといつもの力づよさがないことが少し残念にはなりました。
ちょうどその日は自分の誕生日だったこともあり、いい気分でいたかったなとも思ったのです。
それでも会社に行けば忙しさにそんな気持ちもすっかり忘れ、いつもどおり帰宅しました。
すると普段なら元気に出迎えてくれる妻が、その日は申し訳なさそうに車を見たかと聞いてきたのです。
なんのことだかわからずにいると「ぶつけた」という衝撃の告白が。
いろんなことが頭をめぐりましたが、とりあえず確認してほしいというので懐中電灯を片手に駐車場へむかいました。
怒りはわかなかったのですが、初めての大きな買い物を大切にしようという気持ちは同じだと信じていたのに、こんなにもあっけなく事故をおこすのかとショックをうけていました。
暗くて壊れた部分が見えず、バンパーの下がはずれたみたいだというので手探りで確かめてみましたがわかりません。
そこでライトでてらしてみるとマークのようなものに光が反射しました。
目をこらすとそれは私が欲しかった部品メーカーのロゴマークです。
驚いて少しはなれてみると、バンパーの下にあきらめたはずのパーツがとりつけられていたのです。
そこでやっと私はそれが誕生日のサプライズプレゼントだということに気がつきました。
結婚してから車のことは私にまかせきり、自分で洗車もしたことがないような妻が、秘密でディーラーに連絡して部品の相談をし、値段を交渉して修理の段取りを決めたのかと思うと、ものよりもかけてくれた手間にいとおしさがこみあげました。
すでに大きな支出のあとで欲しいものがあってもがまんしなければならない家計の中から、決して不可欠だったわけではない費用を捻出してくれたことに愛情の深さを感じ、忘れられない誕生日になりました。

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