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人生で一番嬉しかったプレゼント

もう50年以上生きていますから、生まれてからこれまで人からプレゼントをもらったという経験は何度もあります。
幼い頃は親から誕生日プレゼントをもらいましたし、学校の入学祝いや就職祝いを親戚からもらったこともあります。
私の青春時代はバブル真っ最中だったので、年頃になってからは恋人から特に理由もなくプレゼントをもらったものです。
そういえば「みつぐ君」なんて言葉もあったなと懐かしく思い出します。
でも、正直言って、全ての品物がもらって嬉しいものばかりだったわけではなく、趣味に合わないものをプレゼントされてしまったけれど捨てるわけにもいかなくて困ってしまったという経験も何度もあります。
改めて思い返してみれば、もらった時に本当に嬉しかった品物はあまりなかったような気がします。
こんなことを言うと、せっかく贈ってくれた人に対して申し訳ないとは思いますが、いくら値段が高くても欲しくない物を贈られてしまうと、単なる場所ふさぎにしかならないのが正直な気持ちです。
でも、一度だけ本当に嬉しくて、贈られた時に涙が溢れた品物がありました。
それは、本当にありきたりなのですが、息子が就職して初めてもらった給料で買ってくれた座布団です。
座布団をもらって泣くなんて・・・と感じられる方が多いと思いますが、私はその時本当に嬉しくて、涙が止まらなくなってしまいました。
実は、息子は大学卒業時にまでに内定をもらうことができず、卒業延長しての就活にも失敗してなかなか就職先が決まらなかったという経緯がありました。
いつまで経っても進路が決まらない息子に対して、イライラしてしまうこともよくありましたし、何もしてやることができない自分に歯がゆさを感じてしまうこともよくありました。
でも、就職が決まらなくて一番苦しんでいるのは当の息子本人だろうと思って、とにかくジッと見守り続けていたのです。
何もせずにただ見守っているという状況は、想像以上にストレスになるもので、ついつい息子に愚痴りたくなってしまう自分を抑えるのに苦労しましたが、遠方に住んでいて事情がわからない私の母が、時折電話を寄越しては「甘ったれているから就職が決まらないんだ」などと息子に説教するのには本当に閉口してしまいました。
自分の心配する気持ちを一方的に押し付けるのはやめて欲しいと何度も頼んだのですが、結局理解してもらうことはできず、母との仲がすっかり険悪になってしまいました。
そんな状況の中で、息子がやっと就職することができ、初めての給料で私に買ってきてくれたのが座布団だったのです。
我が家は母子家庭なのですが、私が腰痛持ちで立ち仕事ができないために、自宅でできる仕事をして暮らしています。
その際に使っている座布団がヘタってしまい、お尻が痛くて仕方なかったのですが、もったいないので買わずに我慢していました。
新しい座布団が欲しいなどと息子に言ったことはなかったのですが、あの子は見ていてくれたんだと思うと、本当に嬉しくて涙が出てしまいました。
座布団の値段は大したことありませんが、優しい気持ちを持った息子に育ってくれたことが、私にとっては何よりのプレゼントです。

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