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未来の自分へのプレゼント

最近すっかり運動と縁がなくて腹回りがちょっと気になる自分に歯痒い思いをしながらふと思い出す言葉があります。
「未来の自分へのプレゼント」 高校時代の部活の恩師に贈られた色紙の言葉です。
決して運動神経がいいとは言えない、足の速さも十人前、体力・筋力は平均以下、そんな僕は高校時代、サッカー部でした。
体育教師が顧問を務めるサッカー部は、バリバリの体育会系で、校内でも一二を争う厳しい部でした。
その厳しさは筋金入りで、練習のハードさはもとより、普段の生活態度にもうるさく、入部した当時は20人いた部員の半数は1年経たずに辞め、卒業時には同学年は5人前後しか残らないという厳しさでした。
そんなサッカー部で僕は高校三年間を過ごしました。
前述の通り全てにおいて平均並みでセンスのかけらもない自分が三年間部活をやり遂げたのには、一つの想いがありました。
それは、「もう逃げたくはない」という信念でした。
僕は中学でもサッカー部でした。
といっても完全な幽霊部員でした。
そもそもサッカー部に入ろうとしたきかっけは小学校時代の友人がサッカー部に誘われたから自分も、という安直な理由でした。
それにサッカー部には当時かっこいい先輩も多く、自分も女の子にもてるかも・・・そんな邪まな気持ちもありました。
しかし入部初日でそんな自分の甘さを思い知らされました。
小学生と中学生とでは体力面、身体能力の面で大きな開きがあります。
つい数週間前までランドセルを背負っていた1年生は、夏まではとにかく体力づくりあるのみで、走り込み・筋トレに終始し、禄にサッカーボールも蹴らない日々でした。
毎日延々と続く基礎体力づくりで身体の節々が悲鳴を上げ、部活を休みがちになり、ついには幽霊部員になり、三年生の時には毎日部に出るようになったものの、不完全燃焼というか、逃げを選んだ自分への嫌悪感のようなものが残っただけでした。
言わば僕は失われた三年間を取り戻すために、高校でサッカー部に入りました。
中学時代にサボっていたツケで、毎日の練習は体力の限界ギリギリで、練習が終わって家に帰ったらひたすら寝るという日々でした。
部の中でも一番下手だと自覚していたし、学年が進むにしたがって後輩たちにもどんどん追い越され、正直気持ちが折れそうなこともありました。
でもその度に自分を支え続けたのは、「もう逃げたくはない」という想いでした。
今ここで又逃げたら、自分は一生逃げ癖がついてしまう、そう思い、耐え続けました。
何とか最後まで部活をやり遂げ、卒業となりました。
試合には数える程しか出れなかったけれど、厳しい状況でも逃げずに全うした自分に、少しは褒めてやりたい気持ちがしました。
そんな僕に恩師の顧問が卒業時に贈った色紙の言葉が、「耐えがたきに耐えたるは、未来の自分へのプレゼントになる」でした。
その言葉を見た瞬間、不覚にも目の前が滲んで読みにくくなっていました。
まさに自分が追い求めた三年間を集約した言葉で、決して自分は間違ってはいなかったと思いました。
あれから数十年、今やサラリーマン街道まっしぐらで、それなりに厳しい局面に立たされることもあります。
それでも逃げ出せずにいられるのは、高校時代に逃げなかった自分が後押しをしてくれているような気がします。

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