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何時までも忘れられないプレゼント

どんな事情があったか分かりませんが、大好きなママとしっかり手をつないで日本に来た五才の男の子から忘れられないプレゼントをもらいました。
ママもボクも日本語は出来ません。
友達も知り合いも日本にはいません。
でも、ボクはニコニコとボランティアグループの日本語教室に通って来ました。
ママが日本語を一生懸命に勉強していたからです。
ママは日本で将来ボクが学校で仲間ハヅレにされるのをとても心配していました。
通い始めた保育園で特別の目で見られからです。
とても可愛いのですが、日本人の顔とは少し違っていて名前も違うからです。
言葉を覚えるのはママよりも速い位にどんどん上達しました。
子供の能力に驚きました。
ある日、我が家にママと遊びに来ました。
その時、プレゼントとしてコップをもらいました。
そして、このコップは楽しい時に使ってね、と言うのです。
悲しい顔で使うとボクも泣いちゃうよ、と言うのです。
そして、遊んでいる時にポツリとボク、日本の名前に変えてもいいよ、と言うのです。
日本の名前でない事で何か悲しい思いをしているのかも知れません。
ママとボクの将来の夢はボクがパイロットになることでした。
そして、日本語教室のみんなをボクの飛行機に乗せてあげるよ、とニコニコしていました。
ママが母国で航空関係の大学生だった時、ボクが生まれたようです。
詳しいことは分かりませんが、ママの母親は早くに亡くなって、父親は再婚したそうです。
自分の国でも孤独だったようです。
日本で幸せになりたいと願っていたようです。
ママの日本語も少しづつ上達しました。
でも依然として将来、ボクが日本の社会に馴染めるかを心配していました。
英語が出来るので何時かアメリカに行きたいと希望を持っていました。
ボクは日本語教室に来る時は何時も、小さなマスコットの人形を握っていました。
薬品会社の宣伝にもらったキャラクターです。
きっと、知り合いのいない日本で誰かに貰ったのでしょう。
企業の宣伝なんて分からないボクは、とてもそのプレゼントが嬉しかったようです。
ある日、突然に帰国する事になりました。
どんな事情があったのかは分かりません。
ボクはサヨナラの言葉と一緒に大切にしていたマスコットをプレゼントとしてくれました。
遠慮すると、まるで家を一軒プレゼントするかのような気前の良い顔をして、いいから、と言うのです。
そして、ママに日本語を教えてくれてありがとうと言って、飛行機で飛び立って行きました。

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