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要らないものをプレゼントし合う誕生日会の顛末

8年前の11月。
バイト先で仲の良い友人4人と居酒屋でしゃべっていました。
メンバーの中にいるひとり歳の離れた男は12月に誕生日を控えていたので、みんなで誕生日を祝おうという話になりました。
男は「そんなの恥ずかしいからいいよ」と言ったので、できるだけ恥ずかしくない誕生日会を開催することはできないかと考えた結果、「お互いの誕生日に絶対に要らないプレゼントをしよう」という案を出しました。
男は「それなら祝われてる感じがしないし、みんな平等に同じような誕生日会をやるならいいよ」と言うので、開催が決定しました。
12月の誕生日までにプレゼントを何にしようか考えるのですが、通常なら「あいつに何をあげたら喜ぶかな」と考えるところを「あいつに何をあげたら残念がるか、もしくは激高するか」などと正反対の感情で探す必要があり、いままでにそういった経験がなかったので刺激的で「これは面白い」と思いました。
誕生日当日、ある者は木材と彫刻刀をセットで渡し「これで自分の名前を彫って表札にしてくれ」と言い放ち、困る友人。
またある者は、豪華に包装された同じ大きさの袋を2つ用意し、片方を開けるとチャイルド・プレイの怖い赤ちゃん・チャッキーの人形が入っていて、もう片方の袋を開けると、さっき入っていたものと全く同じ人形が出てくるという、一瞬期待するけど倍がっかりするような手の込んだプレゼントを用意しており、主役の友人も「本当にいらないものをくれるとは思わなかったと不満を漏らすという大盛況ぶりでした。
その後、同じ趣旨の誕生日会をお互いの誕生日にやりあいましたが、みんなひとりずつバイトを辞めていき、それに伴ってみんなで集まる機会もほとんどなくなっていきました。
メンバーの中には音信不通になった男もひとりいました。
そんなある日、メンバーの中で最年少の男が結婚し、子供が生まれたというのでお祝いをするために久しぶりにみんなで集まりました。
そこで「最近、誕生日会やってないな」という話になりました。
ちょうどぼくの誕生日が近かったこともあり、いい機会だから誕生日会を復活させようという流れになりました。
ただ、みんながあまりにも不要なものをくれるので、それはもう終わりにしたいと本音を漏らすと、本当に欲しい物をあげる普通の誕生日会に戻すことになりました。
「今いちばん欲しいものは何か」と聞かれて、いざそう聞かれると意外と欲しいものが思い当たらず、少し考えたあとぼくは「人探しをしてほしい」と頼みました。
急に音信不通になってしまった誕生日会のメンバーを探してくれ、とぼくは言いました。
みんな「それは面白そう。やろう」と同調してくれました。
誕生日当日、みんなはぼくの望んでいたものをプレゼントしてくれませんでした。
音信不通の友人はその場に現れなかったのです。
しかし、誕生日会メンバーのひとりが探偵に依頼したらしく「居場所は突き止めたから、別の日にみんなで会いに行こう」と言うのです。
これにはびっくりしました。
そこまでしなくてもよかったのに。
冗談で探してくれって言っただけだったのに…。
後日、音信不通の友人の家にレンタカーを借りてみんなで行きました。
そして会えました。
近況を聞くと、働きもせず、実家で毎日ゲームをやっているとのことでした。
あまりにもあっけらかんとしていたので、みんなで怒りながら苦笑してしまったのを今でも思い出します。

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