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正しくプレゼントできなかったもの

プレゼントは貰っても嬉しいものですが、あげるのも楽しいものです。
贈り物はそれを選ぶ時は相手のことを思いながら選択したり探したりします。
相手が喜ぶ顔を思い浮かべながら何を贈ろうかと悩むのもまた楽しいのです。
しかしながら、プレゼントを贈るのが辛い時もあります。
それを買うお金が無いときです。
学生だった当時、遠距離恋愛をしておりアルバイトで旅費を稼いでは数ヶ月に一度の交通費に充てていました。
会いに行ったは良いものの宿泊する余裕はなく、駅で会ってそのまま帰ったことも一度や二度ではなかったのです。
彼女の誕生日が近づくと結構憂鬱な気分になったことを覚えています。
何かプレゼントを贈れば交通費分が消えてしまいます。
会いに行けばプレゼントを購入する事が出来ません。
大学の授業をサボってアルバイトをするわけにも行かず、悩んだ結果何も贈り物を持たずに会いに行くことを選んだのです。
今ならば、なんてことの無い話ですが、当時は誕生日に贈り物さえ持参できない境遇を恨んだものです。
そんな自分を心底恥じたものでした。
その日、我々に許された時間は、僅か2時間でした。
映画を見るという手もありましたが、恐らく最後まで見ることは出来ず途中で出てこなくてはならないでしょう。
そう考えた我々は、喫茶店で話をすることにしたのです。
逢うまでは、次はこれを話そう、あれを話そうと思っていたものですがいざ顔を合わせるとなかなか言葉が出てこず時間ばかりが過ぎていくのです。
二時間はあっというまでした。
帰りの列車の時間が気になり始めた頃、彼女はなぜか食べ物の話をし始めたのです。
彼女が言うには、男はトンカツ定食の大盛りをがつがつ食べるようでなくてはならない、というのです。
もっとおしゃれにフレンチとかイタリアンとかの店に行きたいと言うのならまだしも、久々にあってなぜトンカツ定食の話が出るのかまったく理解できないまま、話を聞いていたのです。
彼女がトンカツ好きであるなんて話も聞いたこともありません。
とにかく男はモリモリと食べなければダメだと力説したのです。
列車の時間が気になりだしたため、多少上の空で聞いていたのかも知れません。
若くて何を言われたのか分かっていなかったのです。

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