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孫から貰ったプレゼント

私は年齢70歳を越え、そろそろ先も見えてきたかなと思うこの頃です。
幼い頃に母を亡くし、10代の頃に自営業の夫の元に嫁いでからは忙しい毎日で、子どもが生まれても構ってやることも出来ませんでした。
他のお家では誕生日会など開いている頃でも、自営業で朝から晩まで身を粉にして働き、何もしてやれなかったことは今でも悔いている所です。
そんな環境で育った娘でしたが気立てが良く育ってくれ、妙齢で良い相手を見つけ、結婚、数年は子宝に恵まれませんでしたが、ようやくコウノトリはやってきてくれました。
素直でない私は、つい生まれるまで「そんなに可愛がらないよ」と娘に言っておりました。
が、やはり生まれてきてくれた初孫はとても可愛かった。
仕事中もついぞ暇を見つけては病院へ赴き、まだ何もしゃべることのできない初孫にあーだこーだと話しかけては「もうばあちゃん馬鹿だ」と娘たちから笑われたものです。
その頃孫を抱いて撮った写真は今でも居間に飾っておりますが、そこに写る自分は本当に「ババ馬鹿」そのものの笑顔をしています。
しかし月日の流れは速いもので、腕の中でおとなしく抱かれていたその孫も今年で二十歳をめでたく迎えることが出来ました。
成人式の前撮りをした振袖姿のその子は大変美しく、心根の優しい娘に育ってくれました。
「将来はたくさんの人を癒してあげたい」と医療関係の大学に進み、毎日勉学に忙しく、夜遅くまでバイトをし、一人暮らしを頑張っているようです。
私のほうは数年前に店をたたみ、夫と共に年金暮らしを細々と送っておりますが、やはりずっと身体を酷使していたせいか、今では色々な所にぼろが出ております。
そんな私に夏や冬の休みで帰郷した折には孫は必ず我が家に訪れてくれ、体の調子はどう、と尋ねてくれます。
肩の調子が悪いときには「こうしたら良いよ」と的確なアドバイスをしてくれ、本当にありがたく思っています。
そんな孫ですが、アルバイトを始めた年の5月、私のところにプレゼントを贈ってくれました。
プリザーブドフラワーという、枯れない花だそうです。
それはとても綺麗で珍しく、早速お礼の電話をかけた私に「初めて貰ったお給料で買ったんよ」と答えてくれました。
「ばあちゃんはお母さんじゃないよ」といつもの憎まれ口を言ってしまいましたが、心の中ではせっかく自分で貯めたお金を私なんかに使ってもらって申し訳ない気持ちでいっぱいでした。
ですが「これまで、ずっと良くしてもらったけえ」といつもの恥ずかしそうな声でポツリと言われたとき、ああ、これまで生きてきて本当に良かった。
忙しさにかまけて娘の面倒を見てやれなくてずっと悔いていた私に、この、孫の言葉は私への一番のプレゼントだと思いました。
この、素晴らしい孫を育ててくれた娘に感謝しています。

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